今、生きているひとりひとりのひと
<生まれてしまったひとりひとりのひと>
これから生まれるだろうひとりひとりのひと
<生まれてしまうだろうひとりひとりのひと>
ひとりひとりが 殺されずに生きることだけをねがう
わたしの思いには何の力・何の意味・何の真実もありはしない
救済を信じる祈りではないのだから わたしは
祈りたくないと感じているのだから
感じていられるのだから
死んでしまったひとりひとりのひと
<殺されてしまったひとりひとりのひと>
死につつあるひとりひとりのひと
<殺されつつあるひとりひとりのひと>
死ぬだろうひとりひとりのひと
<殺されるだろうひとりひとりのひと>
死ぬ 殺される 人間ひとりひとりの
絶望 死にたいして
わたしのねがいは何ものでもない
嘆きにすぎない