花にとまり
蝶ちょ
閉じた詩集
羽しずかに
開くと
菜の花畑
夕陽
ちりばめられ
地平線へ
輝きの
黄
まばゆさの果て
ゆらめきの
水平線へ
黄の黄の
黄の
花 花
花
菜の
花から
花へ
微風
夕陽から
舞いおり
りんぷん
まぶし香らせ
まどう
光の
紋黄蝶
微かな羽
花から
花へ
菜の花の黄はいつまでもこの日
悲しみの色
黄と黄はもつれあい交わりあい
光り舞いあがり
ひるがえり
雪
かげり舞いおりうすれ
落ちきるまぎわ
夕陽の残光もろとも
どこへともなく
溶け果て
消えて
ゆきました
開いた詩集の
羽しずかに
閉じると
こころに
蝶ちょ
黄の
花と
光と
雪