こんど生まれてくるなら 花になりたい
そう願って死んでいった 恋人がおりました
悲しみをふり払おうと
駆けて逃げてたどりついたのは
いのちの香りの絶えた この岩の裂目でした
どうしてトラに生まれたんだろう ぼくは
なんのために今生きてるんだろう
こんど生まれてくるなら 星になりたい
ひとり叫んでおりました
なんにもないこの地にいると
ひとりぼっちでたたずんでいると
彼女と過ごしたあの なにげない時ほど
大切なものなんてなかった
そう気づくのです
草花の枯れ果てたこの地にふりそそぐのは
星のひかりばかり
「 きみはどこにいるの? 」
すると 夜空の花ひとつ 優しく瞬(またた)き
「 わたしここにいるわ・・・ 」
「 ・・・失ってはじめてわたし見つけたの
探してた花 ほんとうの花
いのちが 星の花なのね
こんど生まれてくるなら・・・
そう願って夜空に散った星くずの祈りが今
あなたに 宿ってる 」
「 あなたにふりつもる 星の記憶を
思い出して
生み落とされたその地に 星の祈りを
芽吹かせて
あなたは 星の花だから
悲しみにふるえ 喜びに瞬く
美しい花だから
愛して
いのちの花
咲かせてね 」