高畑耕治の詩


 優しさの花(むぅ)


もみじの赤ちゃん

もみじの赤ちゃん
生まれてすぐに
ちっちゃな
手のひら   

生まれたばかりの
赤んぼと
おんなじ手のひら
かわいいね

せまいつぼみにちぢこまる
こごえた冬はもう解けた
くしゃくしゃ ひろげて
しわくちゃ のばして
手のひら ひらこ

もみじの赤ちゃん
おおきくなあれ
淡いきみどり 手のひら萌えろ
深いみどり 手のひら薫れ
鮮やかな赤 手のひら燃えろ
薄く黄に 手のひら透けろ
茶に乾き 手のひら風に
舞いあがれ

はらはらゆらめき
手のひら梢に
さようなら

いつまでたっても
もみじは手のひらいつだって
にっこり微笑む お星のおかお
海のヒトデの おともだち
色鉛筆でじょうずに描けたら
絵の具でいちめん
塗りつぶそ


「 もみじの赤ちゃん 」( 了 )

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