高畑耕治の詩


こころ絵ほん(さん)


たんぽぽ道草わたぼうし

たんぽぽ道草わたぼうし
道草ばかりしていたね ( 黒髪に風 )
うす紅げんげの蜜すって ( まつげもさやぎ )
白つめ草の四つ葉みつけた ( あなたの瞳の )
黄色の星たち ( 輝きが好き )
瞬いた

あめそら道草なみだにじ
田んぼもつくしもあぜ道も消え ( もうあえないの? )
どこだか迷ってわからない ( 生きているの? )
つまずき転んで大の字あおむけ ( 子どもたちだけ )
ぽつぽろ雨つぶ ( いちりんいちりん見あげてる )
空からまっすぐ打つ頬に ( まんめん微笑み )
冷たい滴の涙のひかり ( 弾けまぶしく )
虹かけた

そらうみ道草すいへいせん
こころそれでも転がって ( こころは誰も )
ころからころ ( いつでも子ども )
空が好き ( なら争わないで )
海が好き ( なら殺さないで )
水平線のまろみの ( 乳房やわらかな )
あおとあおに ( あなたにただ )
交わり溶けたい ( あいたい )
とだけ願ってた

道草しようよ
あなたとわたしもわたぼうし
ふんわり気球 飛んでゆこう ( 小さないのちの風の旅 )
壊れひしゃげたコンクリートの鉄骨に ( 消えない悲しみ)
瓦礫のすきま のぞいた土に ( けして忘れられないひとの )
たわみ泣いてる ( おもかげ も)
地平線に ( はりつけられた苦しみ痛みも )
わたげ道草ゆめの種 ( 祈りにくるみ願いに抱いて )
舞い降りてゆこう
なつかしい地に

たんぽぽ道草
萌えでる輝き子ども花


「 たんぽぽ道草わたぼうし 」( 了 )

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