高畑耕治の詩


こだまのこだま    

渡邉裕美さんの絵のこだまの、こだま



   

(序曲)

遠くへ
ゆこう ほら
あの遥か向こう
海にかかる虹の彼方
花かおる
空へ

   

(ひぃ)

風にせせらぎ
髪そよぎ
さらせらら
うなじにうっすら 
かおる花

   

(ふぅ)

海に花
しゃりる らら
どうして咲いたの?
しゃりるれ ぽっ
しゃん
ちっ
ちゃっ


   

(みぃ)

あおい遠いあの山なみに
あこがれ草原かけめぐれ
草いきれにむせ
恋い焦がれ

生きる

   

(よぉ)

ほら 生まれたよ
お星さま
きんぎん お空に
りんらん お花
咲かせてね
りんりん らんらん
歌ってね

   

(いつ)

ふせたまつげの草かげの
瞳にひかる いのち いつも
見つめられますように
言葉なくし唇かむ
ふるえにひびく いのり
聴きとれますように
いつまでも

   

(むぅ)

人むかし お花でした
やわらかほっぺに
ときおり
ほっと 微笑み香り
あっ
お花

   

(なな)

月のひかりにねむる花
なに色? すやすや
ねいき色
月のひかりにひらく花
ことり羽ばたく
ゆめ音色

   

(やぁ)

愛してる
やむことのない波の
こだまの
こだまの波の
夕陽に愛いろ染まれ


   

(ここの)

旅立ちのとき
こころ裸足で歩みだす

愛に生きたい

   

(終曲)

虹のまろみも水平線も
星の乳房の花もよう

宇宙にまどろむ
海もよう
咲け 青紫に


「 こだまのこだま 」( 了 )

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