あなたの舞いのぼる煙なみだにかすみ見失ったあの日から
探し続けているよ
空を
( どこにいるの? )
今日は
曇天
たれこめる
雲 不意に
あられ 激しく降り弾け
染まる地平真っ白
撃たれて
( 痛いだろうに…… )
撃たれても真っすぐ
首のばし翔る
白鳥
( なぜ飛び続けるの? )
ひとり 離れ
ふたり 添い
皆で
( 聞かせて )
哀しく鳴き交わす
声
( 読み聞かせて )
綴られてゆくひらがなの
風に織りなす羽ばたき色の
絵本
書棚のすき間
手にふれた封筒
( ここで…… )
手紙の白い羽根ひろげたら
( やすんでいたの? )
手書きの
にじんだインクの文字のゆがみから
洩れでた
息
あなたの
泣き顔
( いてください )
舞いあがり舞いおり
空に
呼ばずにいられないわたしの
そばに
( きてください )
ここに わたしの
こころに
( いてください )
いつも
いつまでも
( 泣いてもいいよ )