小二の妹 わたし中二
近くの公園
遊びにいったの
五 六年生かな? 女の子たち
大きな滑り台 小さな富士山
駆け登り 滑り降り
はしゃぎ声
駆けあがり 頂上の友だちの手に
つかまり 登頂
離し 滑り降り
また 登り
わたし見つけてしまったの ああ
ネットのカキコミ
「 避難民、よそ者のくせに、
偉そうにすんなよ。
放射能うつるだろ、
キモイから近寄んなよ 」
妹とわたし
転校生 福島の
海辺のまちからの
仲間はずれの 擦り傷 とても痛い
突き落とされ こころ砕けそう
大人たちのいじめ社会
まねなくていいのに
ほんとは帰りたい
帰れないだけなのに
わんぱく坊主 男の子の大将は
お山の頂上 独り占めしたがるけど
公園のお山のうえの女の子たち
引っ張りあげてた
滑り落ちそうな友だちに
手をさし伸べて
妹 楽しげに見てた
わたしの横でほんとは うずうず
五 六年生 感じてくれたのね
「 いっしょに遊ぶ? 」
って
わたし見あげた妹に
こっくり
妹 駆け登っていった
まぶしい笑顔で
夕陽もう茜色 小さなお山染め
逆光に妹たち 影絵のシルエット
帰宅うながすチャイム響いて
流れた音楽
ああこのメロディー
あのころのふるさとの
茜色の旋律に溶けだしたの
見えたの わたしの
大切な小学校
あのなつかしい教室 校庭
散り散りにされてしまった
大好きなお友だち 先生
手をふってくれてる わたし
駆けだしたの
福島の みんなに向かって
会いたいよお