高畑耕治の詩


息、くちづけ



  くちづけ


つかれた つかれた つかれた と つかれたわたしを
愛してる愛してる愛してる愛してるあなたへの想いで
蘇生させたい

くちづけたい
また

そのために そのねがいのためにだけ
まだ


する



  くちびる花びら


あなたの

吹き込んでください
くちびるから

くちびる花びら
咲かせるから



  ひとしずくに、あなたは


なにも信じることもできずおろかなまま
おぼれ死にゆくわたしをも
訪れてくれる
あなただけはかならず
訪れ くちづけ 
息 ふきかけてくれる

ただそれだけ 信じてわたし
目をとじ息とめ逝きながら
なみだする

さいごのさようならの
ひとしずくに
やどりあなたは
わたしの頬にくちびるに

くちづけ
息を

えいえんに




* ルビ 逝き: ゆき



「 息、くちづけ 」( 了 )

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